生産工学部では,工学系専門分野の基礎から応用までの教育とともに,製造・建築物を安全で効率よく,妥当な価格で社会に提供するための生産技術や工業経営,安全管理能力の習得にも力を入れ,工学の先端技術と人々の暮らしをつなぐ真の技術者の養成をめざしています。そのため,生産技術をはじめ,ITやマネジメント,コニュニケーションなど,社会で即戦力となるスキルを磨く「生産工学系科目」を全学科共通で設置。さらに,電気電子工・土木工・応用分子化・数理情報工の4学科では,日本技術者教育認定機構(JABEE)に認定されたコースも設置。より高度な知識を有し,国際的に活躍できる技術者を養成します。
全学科でコース制を導入し,少人数制による個別指導で,学生一人ひとりにしっかりと向き合うきめ細かな教育システムを整えています。また,生産工学系科目の総合的演習として,全学科の必修科目になっている「生産実習(インターンシップ)」も大きな特徴です。企業・官公庁・研究機関などの協力のもと,学生それぞれの専攻や将来に合わせた就業体験プログラムは40年以上の歴史があり,国内最高レベルの実績数を誇っています。実習体験後には「報告会」や企業のトップを招いた「特別講義」も開講するなど,社会人基礎力を養うだけでなく,経営・管理への理解もさらに深められ,卒業生の就職率の高さと離職率の低さといった結果につながっています。
津田沼キャンパスは専門機器・設備を完備した「MIRAI Studio(未来工房)」があり,授業時はもちらん,学生個人やサークルの自由な創作活動の場として利用できます。ほかにも,4年生や大学院生を中心としたピアサポーターが1年生全員の生活や学びをサポートする「ピアサポートシステム」や,だいがくでの学習に不安を持つ学生のための「アカデミックアドバイザー制度」など,さまざまな制度により,学生の学ぶ意欲と自主学習をサポートしています。
目的
本学部では,日本大学の建学の精神に基づき,次のような教育目標を設定しています。
「幅広い教養と経営能力を持ち 学生個々の個性・能力を生かして 人類の幸福と安全を実現するために考え行動し 社会に貢献できる技術者を養成する このために技術の進歩に対応できる 基礎学力と応用能力及び技術の社会と 自然に及ぼす効果と影響について 多面的に考える能力を培う」
設置学科の目的
機械工学科
機械工学科の目的は以下のとおりです。
「機械工学は生産活動の基盤を支える学問であり,我々の生活を豊かにしてきた。近年,“機械”は人間や自然環境との調和を図ることが重要視され,長期的,広域的視野を持った技術者が必要とされている。このような背景から,機械の面白さやものづくりの楽しさを体感した経験を持ち,ものの作り方や使われ方を知り,自分が作りたいものを具体化して社会の理解を得ながら,ものづくりの現場をグローバルな視点からマネジメントできる人材を養成する。」
土木工学科
土木工学科の目的は以下のとおりです。
「土木分野に関する理論・現象を実験・実習・設計を通して習得するとともに,実社会における生産実習(企業体験)と経営や安全管理の基礎を学び,専門職の実務に対応できる基本能力を備えた技術者を養成する。さらに,習得した知識の集大成として,土木分野の課題を探究・創造・解決するプロセスを学び,土木技術者としての総合能力を養成する。」
建築工学科
建築工学科の目的は以下のとおりです。
「建築の基礎となる,「計画」,「構造」,「環境・設備」,「材料・施工」の総合的知識を持ち,高い倫理観のみならず,国際感覚,問題解決能力,応用能力,創造力,さらには発表能力・対話能力に重点をおいて,徹底的に教育指導をし,国際化が進む社会の要請に応えうる,そして経営能力も有する人材を養成する。」
応用分子化学科
応用分子化学科の目的は以下のとおりです。
「地球上に存在する物質は,わずか100種類ほどの元素の組み合わせによって成り立っている。これらの物質を対象に,豊かで安全な社会を維持させるために資源と 環境を調和させながら,材料の無限の可能性を追求する教育研究を行っている。これによって,物質的な学問知識に加え,必要な特性を持つ素材を生み出す「分子デザイン能力」,環境に優しいものづくりのための「グリーンケミストリー」の概念,及び技術者としての倫理観を備え,製品化に向けた計画から生産するまでの「マネジメント能力」を身に付けた化学技術者を養成する。」
数理情報工学科
数理情報工学科の目的は以下のとおりです。
「IT(情報技術)並びにICT(情報通信技術)が,既存の生産活動並びにビジネスの仕組みを大きく変えるエンジンであるという認識に立ち,インターネットの活用法,各種プログラミング技法,ソフトウェア構築法などの情報処理能力,並びにシステム工学・数理工学に裏付けられた問題発見・解決能力を習得した人材を養成する。」
電気電子工学科
電気電子工学科の目的は以下のとおりです。
「産業構造の変革と高度情報化社会の進展に伴って,電気電子工学の進歩は著しく,また多様化している。これに対応できるように基礎学力と専門領域の知識を身に付け,さらに経営・管理工学を学び,実験・実習を通じて問題解決能力が高く,創造性豊かで,しかも経営能力も有する技術者を養成する。」
マネジメント工学科
マネジメント工学科の目的は以下のとおりです。
「自然・社会・人間科学などの科学技術を応用した工学的知識をベースに,健全な企業経営の推進,自然・社会環境の向上,人にやさしい製品やシステムの開発・設計そして運用などにかかわる工学的理論や方法論を教育研究し,経済社会の活動を効果的に進めるため,グローバル化にも対応した経営・管理技術を身に付けた人材を養成する。」
創生デザイン学科
創生デザイン学科の目的は以下のとおりです。
「自然科学をベースとする工学知識や技術,芸術を基礎とする感覚や技法,その両方を駆使して人と人工物の理想的な関係を築くことこそがデザインであると捉え,これを実践できる人材を育成することを目標とする。これを実現するために,統合された理論的なデザインの方法である「デザイン思考」の重要なステップ「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイピング」「テスト」をカリキュラムに取り入れ,社会全般を見渡して,新しい商品やしくみを提案したり,開発できるデザイン・エンジニアを養成する。」
環境安全工学科
環境安全工学科の目的は以下のとおりです。
「地球規模の視野を持ち,持続発展可能な社会の実現のために工学分野を複合的に学び,環境共生とエネルギーに関する知識と応用能力及び技術が社会と自然に及ぼす効果と影響について,サステイナブル(持続可能)な視点から考え行動できる総合能力を有する技術者を養成する。」
3つの方針
生産工学部では,日本大学教育憲章に則り,自ら学び,自ら考え,自ら道をひらく能力を有し,社会に貢献できる人材を育成します。
このため本学部では,高等学校課程までに修得した知識・教養・倫理観を基に,以下に示す「求める学生像」を理解して意欲的に学修を進めていくことのできる者を求めています。
「求める学生像」
豊かな知識・教養を身につけて高い倫理観をもって社会(日本社会・国際社会)に貢献することを目標とし,その目標に向かって自ら継続的に学修する意欲をもつ人。
問題発見及びその解決のために,必要な情報を収集・分析し,自らの思考力をもって,自らの考えをまとめ,表現しようと努力する人。
グループやチームをとおして自己を高め,さらに挑戦することや振り返ることの必要性を理解した上で,経営や生産管理ができる技術者になろうとする人。
なお,本学部に入学を志す者は,「求める学生像」 を理解して受験していると判断し,入学試験では,学力試験等により,4年間の学修に必要な知識・技能・思考力・判断力を評価します。
生産工学部は、生産工学部のディプロマ・ポリシーに適う以下の人材を養成するため、4年間を通じて、教養、基盤(基礎)、生産工学系、及び専門教育で構成される体系的なカリキュラムを編成し実施する。また、各科目における教育内容・方法、成績評価方法、及び評価基準をシラバス等で明示し学生に周知した上で、公正かつ厳正に評価を行う。
生産工学部は,日本大学教育憲章,生産工学部の教育目標並びに各学科の教育研究上の目的に基づいた教育課程により,以下の項目を修得している者に学士(工学)の学位を授与する。
豊かな教養と自然科学に関する基礎知識を持ち,高い倫理観を醸成することができる。
国際的視野に立ち,必要な情報を収集・分析して自らの考えを説明することができる。
専門分野を体系的に理解し,得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる。
生産工学に関する知識・技能等を活用し,新たな問題を発見し,解決策を提案することができる。
経営管理能力を有する技術者として,新しいことに果敢に挑戦することができる。
国内外の異なる考えを理解し,違いを明確にしたうえで議論し,自らの考えを伝えることができる。
グローバル化する知識基盤社会の一員として技術の進歩に適応し,他者と協働することができる。
自己を知り,振り返りを通じて技術者としての自己を高めることができる。