目的
人文科学研究科は、人文科学の各専門分野における専門知識のみならず、確固とした理論と実証的方法論を備え、今日の国際社会に貢献できる人材を養成することを教育研究の理念とし、自由で独創的な発想と視野の広い人間性を持つ人材の陶冶を目指す。すなわち、本研究科は、世界の潮流を俯瞰し、高度の研究教育をそのなかに定位することによって、広範な展望と批判精神を有する創造的人材の育成を目的とする。本研究科の理念に基づき、博士課程後期については、広い視野を持ちつつも、それぞれの専門領域において独創的かつ社会的に有用な研究を実現できる人材を養成することを目的とする。
設置専攻の目的
日本語日本文学専攻
日本語日本文学専攻は、人文科学研究科の理念・目的に基づき、日本語と日本文学の研究をつうじて真の国際化に寄与するとの観点から、充実したカリキュラムを立て、懇切な個人指導を実施する。博士課程前期においては、演習と講義を通じて研究課題の総合的な把握・理解・解決方法を体得させ、それによって高度な知識と思考力を持つ中等教育機関における国語教員、その他の社会人を育成することを目標とする。博士課程後期においては、前期課程で培った専門的能力を錬磨・開花させ、最終的に学位論文を完成させることを目指し、高度な専門職業人・大学や研究機関における研究者を育成することを目標とする。
史学専攻
史学専攻は、人文科学研究科の理念・目的に基づき、日本史学・東洋史学・西洋史学・考古学のいずれにおいても過不足ないカリキュラムを立て、懇切な個人指導方式による教育を実施する。博士課程前期においては、演習と講義を通じて研究課題の総合的な把握・理解・解決方法を体得させ、高度な知識とそれに裏打ちされた的確な判断力をもつ一般社会人、中学・高校の教員(社会・日本史・世界史)等の育成をめざし、博士課程後期においては、前期課程で培った専門的能力をさらに錬磨・開花させ、最終的に学位論文を完成させることを目指し、それぞれの分野で創造的かつ有用な研究でもって社会に貢献する高度な専門職業人、大学や研究機関における研究者を養成することを目標とする。
英語学英米文学専攻
英語学英米文学専攻は、人文科学研究科の理念・目的に基づき、英語学・英米文学・英語教育学の各分野において充実したカリキュラムを組み、懇切な個人指導を実施する。博士課程前期においては、演習と講義を通じて研究課題の総合的な把握・理解・解決方法を体得させ、それによって高度な知識と思考力を持つ中等教育機関における英語教員、その他の社会人を育成することを目標とする。博士課程後期においては、前期課程で培った専門的能力を錬磨・開花させ、最終的に学位論文を完成させることを目指し、高度な専門職業人・大学や研究機関における教員および研究者を育成することを目標とする。
仏語学仏文学専攻
仏語仏文学専攻は、人文科学研究科の理念・目的に基づき、フランス語による文化・文学・思想の普遍性を認知し、仏語学・仏文学の各分野で充実したカリキュラムを組み、懇切な個人指導を実施する。博士課程前期においては、演習と講義を通じて研究課題の総合的な把握・理解・解決方法を体得させ、深く言語や異文化を理解できる高等学校の教員(英語・フランス語)をはじめ、社会的ニーズに即した様々な職業に対応できる即戦力の人材を育成することを目標とする。博士課程後期においては、前期課程で培った専門的能力を錬磨・開花させ、博士論文作成を目標とし、社会に貢献する高度な専門職業人・研究者・教育者を育成することを目標とする。
独語学独文学専攻
独語学独文学専攻は、人文科学研究科の理念・目的に基づき、独語学・独文学の各分野において充実したカリキュラムを組み、院生の適性と能力に対応した懇切な個人指導を実施する。博士課程前期においては、演習と講義を通じて研究課題の総合的な把握・理解・解決方法を体得させ、深く言語や異文化を理解できる高等学校の教員(英語・ドイツ語)や専門的知識が求められる職業人を育成する。博士課程後期においては、前期課程で培った専門的能力を錬磨・開花させ、博士論文作成を目標とし、社会に貢献する高度な専門職業人・研究者を育成することを目標とする。
3つの方針
本研究科では、人間及び人間社会を対象とする人文諸科学の方法論を極めることにより、自由なしかも批判的精神をもった教養ある専門人の養成を行う。
博士課程前期・修士課程では、基礎学力と旺盛な知的好奇心を有し、新たな知見の創出を目指して積極的に課題に取り組む学生を求める。入学者選抜にあたっては、志望分野に関する基礎的な専門知識や研究に必要な語学力が問われる。また、面接では、研究計画書に基づき、志望分野において主体的に問題を発見し、問題解決に積極的に取り組む能力を持っているかが評価される。
博士課程後期では、博士課程前期で培ったスキルをさらに磨き、蓄積してきた研究成果をいっそうひろげ深めようという向上心・探究心を持つ者を受け入れる。入学者選抜にあたっては、筆記試験、修士論文と研究計画書の内容の精査及び口頭試問により、志望分野に関する深い専門的知識と問題発見能力及び問題解決能力が問われる。
近年のますます多様化する院生の需要に対応し、社会と地域のニーズに応えるための教育効果・教育効率を考慮したカリキュラムの構築につとめる。例えば、就職先としての教育職や研究職には近年とくに限界が顕著であるので、それ以外の分野の高度専門職業人への道を選ぶ院生のためにも、社会で即戦力となる能力の涵養や育成が必要で、それにむけてのカリキュラム編成をはかる。
また、院生の研究成果の公表の場の確保を行い、『大学院論集』の充実に努め、学会誌、その他の一般の研究雑誌にも投稿するように指導し、他流試合のできる実力をつけさせる。
体系的な教育課程を実施することによって、スムーズな学位取得の実現に努める。このことによって研究に対する意欲を高めさせ、前期課程と後期課程との有機的な繋がりをより実質化するとともに、研究の一貫性を保障し、課程博士の取得が円滑に行われるようにする。そのために博士学位申請と審査のための手続きを明確にし、論文作成及び学位申請への動機づけをはかる。
学位論文作成を通して養なった研究能力を活かし、広い分野において専門的な仕事のできる職業人の育成をはかる。