学生生活の支援

学生の心身に関する支援？

●取り組みの内容

本学におけるメンタルヘルスに関する支援は、主に学生相談室が担当しており、メンタルヘルスに関連する悩みや、学生生活を送るうえで問題を抱えた学生に対する学生面談を通年で実施している。
また学生相談室では、学生の自己成長と対人関係能力の向上を目的とするグループワークを月1回、外部講師を招いたより専門性の高い大規模グループワークを年１回開催している。
　その他の活動として、大学環境や対人関係にストレスを感じやすい学生に対する休憩場所の提供や、授業や窓口対応で対応が困難な学生と関わることになった教職員に対して関わり方の助言を行う心理コンサルテーション活動を実施している。

●取り組みの目標

大学院生の利用は希少であるが、現在の学部生は非常に多様化しており、メンタルヘルスに関する支援を受けながら修学を継続している者も多い。そうした学生の学生生活を支えるためには、①教職員等の学内関係者からの学生本人に対する直接的な支援、②医療機関や保護者等の学外の関係者からの支援、の２つを上手く組み合わせながら支援を行っていく必要があり、そのためには思春期から青年期の心理的発達やその過程で起こりうる躓きや病理に対する支援に詳しい専門家の配置が必須である。本学では、学生相談室開設当初より心理学及び教育学関連科目を担当する教員が兼務で学生相談を行っていたが、前記した多様化する学生への支援をより充実させるため、Ｈ19年度より臨床心理士や社会福祉士といった、高度な専門資格を有する専門スタッフを学生相談専従の職員として雇用し配置を行っている。

●取り組みについての検証と評価

大学院生の利用は希少であるため検証や評価が難しい。
学部生については、Ｈ19年度より、臨床心理士や社会福祉士といった専門的な資格や知見を有する学生相談専従のスタッフを雇用したことにより、①メンタルヘルスに問題を抱える学生の早期発見、②個別カウンセリングによる専門的な支援、③メンタルヘルスに問題を抱える学生と直接関わっている教職員への心理コンサルテーション、④保護者や外部の医療・福祉機関との情報共有及び連携した支援が可能となり、その結果としてメンタルヘルスを理由として学生生活に困難を抱えた学生の大学適応状況は向上している。一例を挙げれば、Ｈ19年度からＨ25年度の7年間の間に、精神疾患や発達障害を有しており学生生活の継続が困難となった学生は111名おり、学生相談室で専門的な支援を実施することとなったが、支援の結果、35名（31.5％）が再び修学しており、51名（45.9％）は卒業まで辿りついた。
結果として86名（77.4％）の学生が専門的な支援を受けることによって、再び大学生活に適応できたことになり、専門的な支援を実施する意味や効果はあると考えている。

●取り組みを通した学生の成績評価

大学院生の利用は希少であるため成績評価が難しい。
学部生については、メンタルヘルスに関する取り組みを通した成績評価を厳密には行っていない。メンタルヘルス上の理由により学生相談室で支援を行うことになった学生の単位取得率でみると、学生相談室での専門的な支援を受ける前と受けた後では、専門的な支援を受けた後の方が単位取得率が上がるという結果が示されている。そのことは、①学生相談員とのカウンセリングを通して学生が抱えていた不安や悩み事が軽減し、学生が本来持っていた力量が再び発揮されるようになったこと、②学生の有する特性に合わせた指導方法を担当教員と学生相談員とが検討することにより学習状況が改善されたこと、などが影響していると考えられる。

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『学生の心身に関する支援』とは？
心（こころ・精神・メンタル）と身体（からだ）が健康な状態で学生生活が送れるように支援する取り組み。