●カリキュラムポリシー
本学科では、ディプロマ・ポリシーに沿って、次の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。
- コア・プログラムでは、英語を用いて文献を解読し、批判的に思考し、さらに発表・議論ができる基礎的な能力を修得させる。
- 学部独自のディストリビューション科目群は、領域横断的な入門的教養科目群であり、「社会と文化」「文化的伝統」「政治と経済」という三つのカテゴリーに分けられています。学生は、その三分野から広く受講することで、世界の多様な社会の仕組みや文化的価値・歴史に触れ、視野を広げるとともに、専攻分野に進むための基盤を形づくる。
- 比較文化、国際経営・経済、社会科学という三つの専攻分野では、基礎的なものから専門性の高い科目まで体系的にカリキュラムが構成され、学生個々の関心にしたがってそれぞれの分野の知識を深く追求できます。また、同時に隣接領域の科目も履修することで、はば広く柔軟な視点を身につけることができる。
●ディプロマポリシー
本学部は、学生が卒業時に身につけているべき能力や知識を次のように定めています。卒業要件を満たせば、これらを身につけた者と認め、学位を授与します。
- 包括的かつ学際的な教養と、英語により思考しコミュニケーションを行なうことのできる高度な英語力
- 高度に専門的な視点と一般的な幅広い視点の両方をもって特定の問題にアプローチする知的能力
- 多文化的環境に自らとけこみ、多様かつ重要な社会文化的問題のより良き理解に貢献する共同的活動に従事する能力
カリキュラム
●取り組みの内容
国際教養学部では、創立以来、科目のナンバリングを行っており、学生が各科目のレベルを明確に理解し適切な順番で科目を履修できるよう配慮してきました。
100番台=導入レベル科目
200番台=基礎から専門的レベルへの橋渡しとなる科目
300番台=専門領域の科目、もしくは専門的な知識を踏まえ社会との接点を探る科目
400番台=専門領域の科目、演習科目
本学部の制度をモデルに、2014年度からナンバリングは全学部で導入された経緯があり、この制度においては模範を示してきたといえます。
●取り組みの内容
国際教養学部では、1949年創立当初から60年以上にわたり、米国のLiberal Artsをモデルとした教養教育を、全科目英語により行ってきました。
2006年に国際教養学部に改組を行ってからは、Comparative Culture (Art History,Literature,Religion and Philosophy),International Business and Economics,Social Studies (Anthropology and Sociology,History,Political Science)の3専攻7領域を有しています。学生は2年次後半で専攻を選びますが、自専攻のみならず他専攻の科目も一定数履修するカリキュラムであり、英語・日本語双方の高度な運用力に加え、幅広い教養を身につけることが意図されています。
教育方法
●取り組みの内容
入学後3セメスタで必修の学部コア課目(Thinking ProcessesやPublic Speaking等)では全科目の受講者を20名程度に保ち、ディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションが主体の授業を行っており、学生は毎回の授業に主体的に参加することが要求されています。
非常にハイレベルで厳しく運用されており、英語ネイティブスピーカーの学生ですら苦労しながら履修する中で、英語での高度な思考・表現・作文・ディスカッション能力が鍛えられます。
その他の授業も、同様の形式で行っている科目が多く、日本の大学で一般的な「大教室で一方的に講義を聴く」授業はむしろ少ないといえます。
●取り組みの内容
必修科目「Thinking Processes」では、ソクラテス等の古典哲学や、ヴィクトール・フランクルによるホロコースト生存者としての考察などの英語版を文献として用い、人間の普遍的問題について考察を深め、批判的思考力を高めることを目指しています。
授業は毎回ディスカッションを中心として運用され、口頭で意見を適切に述べたりグループでの発表に向け調整したりする能力が必要となるとともに、一学期30回の授業で毎回短いレポートを課され毎回教員から添削され返却されるため、論述する力も相当に高められます。
これらの経験は、卒業後の人生においての課題解決力に少なからず寄与すると思料します。
●取り組みの内容
国際教養学部の正規生定員は1学年186名であり常時800名程度の学生が在籍していますが、年間に開講している181科目のうち、受講生が100名を超えるのは5科目のみです。また最も高度な400番台(演習科目)の受講生数は各科目平均20.6名であり少人数教育が保たれているといえ、この点からも、学生が積極的な授業参加を求められる環境にあります。(2017年度実績)
正規生に加え、各学期200名程度の留学生(交換及び私費)を受け入れており、留学生は授業において非常に積極的に発言するため、その姿勢は本学の学生たちにも大変良い影響を与えてくれています。
学びの支援
●取り組みの内容
新入生を数グループに分け、それぞれの「フレッシュマンアドバイザー」となる教員をつけています。入学直後のオリエンテーションキャンプでの指導に加え、毎学期開始時に“Individual Advising”という個別相談の機会を半日設けており、学生たちが履修科目等についてアドバイスを受けることができる体制を整備しています。
入学後3セメスタはフレッシュマンアドバイザーが相談を受け、4セメスタ目からは専攻が決定するため、その後卒業まではそれぞれの専攻主任が相談を受ける役割を引き継いでいます。
●取り組みの内容
本学において、学修成果のフィードバックとして、以下の取り組みが挙げられています。
教学支援システム「Loyola」によって、学生本人が自らの成績をWeb上で確認することができます。また、「Loyola」の自己判定機能により卒業に必要な単位の修得状況を確認できる仕組みを整えています。
さらに、授業科目ごとの成績分布状況(受講者数、成績分布割合、評点平均値)を学生向けに公開しています。
学習支援ソフトであるMoodle(ムードル)(Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)によって、学生はWeb上で課題の提出や小テスト(選択問題や記述問題など)の回答が可能であり、教員は学生へ課題のフィードバックを行うことができます。
●取り組みの内容
入学後3セメスタで全員が履修するカリキュラムとして、「コア科目」を設けています。English Composition 1、English Composition 2、Thinking Processes、Public Speakingの4科目で構成され、どのレベルから履修するかは、入学直後の英語プレイスメントテストの結果により決定します。(ほとんどの学生はEnglish Composition1から履修します。)
これらの科目を通じて、英語での思考力、筆記および口頭での表現力、プレゼンテーション力などを総合的に磨き上げ、2年次後半からの専攻科目の履修に耐えうる能力を育てるとともに、真に国際社会で活躍することのできる基礎力を育成しています。
●取り組みの内容
中途退学防止策として以下を実施しています。
1.フレッシュマンアドバイザー(入学時〜第3セメスタ)、エリアコーディネーター(メジャー決定後)への相談体制の整備
2.専任教員のオフィスアワーの公開
3.学科長等の教学支援システム(Loyola)による学生の履修登録状況等の把握
4.休学による学費納入額の減額
5.退学時の学科長またはクラス主任への相談実施
1.フレッシュマンアドバイザー(入学時〜第3セメスタ)、エリアコーディネーター(メジャー決定後)への相談体制の整備 2.専任教員のオフィスアワーの公開は、勉学や履修に関すること、進路に関すること、その他学生生活上の様々な内容な問題について相談し、指導、助言を得ることが可能です。
3.学生の履修登録状況は、システムにより常に把握できる体制を整え、学科長等による指導材料として活用されます。
4.休学による学費納入額の減額を実施しています。
5.退学時の学科長またはクラス主任への相談実施は、本学において、退学願提出にあたり相談を義務付けています。
●取り組みの内容
【TA】
実験・演習などの科目や多人数科目などの特定科目において、博士前期課程または博士後期課程に在籍する大学院生がTAとして教育的補助業務に従事しています。授業の事務的な補佐を担うTAとレポートの作成指導や添削、授業用資料作成なども担当するTAを区分して採用を実施。およそ500科目にのべ800人程度を配置しています。
TAの活用は大学院生に対する経済的支援となっているだけでなく、授業運営や資料作成などに関与することで教育職務の経験上も意義あるものとなっています。
【RA】
教育研究体制及び教育研究活動の充実を図るとともに、将来、教員となり得る人材と若手研究者の育成を図るために、本学の教育研究組織及び研究プロジェクトにRAを配置しています。学部及び研究科の授業における教員補助、学生への実験・研究指導、定期試験における試験監督業務、研究補助などに従事しています。
●取り組みの目標
【TA・SA】
TAとして採用した大学院生に対し、授業におけるTAの効果的な活用とTA自身の能力向上を目的として、2015年度より段階的に以下の研修を行います。
レポート、課題などの採点支援やディスカッションなどの指導方法の共有/デジタル教育支援ツールの使用方法の指導/授業内の課題補助指導などを念頭に置いたTA間の問題点・課題の共有と改善/実験・実習などにおける危険物への対応、緊急時の対応等の指導/ハラスメント防止に関する研修
また、外国語による授業科目数の増加や留学生の受入の促進を受けて、留学生や語学力の高い学生をTAとして採用する仕組みの試行を2014年度より実施し、段階的に増加させます。なお、TAを務める留学生に対しては、日本の教育方法などの理解を促進するための研修の実施を予定しています。
●取り組みの内容
【中央図書館】
中央図書館は1984年に竣工した総合研究棟の中にあります。総合研究棟には図書館ばかりでなく、大学院研究室や研究所が設置されており、上智大学の教育・研究の中心となる建物です。その建物の中で図書館は地下2階から地上9階の中央部分に配されています。
1階に、利用者サービスのほとんどの機能が集中しており、様々な質問に応じる専門スタッフがいます。地下にはラーニング・コモンズやグループ学習室などがあります。館内にはたくさんの資料を広げながら勉強できる大きな机の席、一人で静かに学習できる個人席など様々なタイプの閲覧席が約1900席あります。
【Writing Centerの設置】
学部独自の施設として、Writing Centerを設置しています。
学部卒業以上(主に大学院生)のネイティブスピーカーか同等の能力を有するチューターが、英文での課題を校正しアドバイスを行っています。本学部の学生は誰でも無料でサービスを受けることができます。
●取り組みの内容
ラーニングコモンズでは以下のような設備やサービスを提供しています。
【グループ学習席】
ホワイトボードやノートパソコンが利用可能。エリア内の机・椅子は可動式のため、その時々の人数に合わせて自由に組み合わせて利用することができます。
【プレゼンテーションエリア】
スクリーンを利用できるので、学生が発表の練習に使用したり、実際にプレゼンテーションを行う授業でも活用されています。
【学習支援席】
論文の書き方や、授業・ゼミの取り方など、日常の学習に関する困ったこと等を、大学院生スタッフに質問することができます。
【その他】
図書館内で利用できるノートパソコン貸出サービスや、PC利用者優先席を設けています。また、学習支援サービスの一環として学内の部署・学部と共同でラーニング・コモンズセミナーを企画・開催しています。
●取り組みの目標
従来の講義を受けて知識を得る「受身」型から「問題解決」型へと学習方法の変化に合わせた環境を整えます。
●取り組みの内容
授業評価は毎学期、すべての科目について実施し、個々の教員に評価結果をフィードバックしています。(現状では、教員本人以外への結果の公開は実施していません。)
●取り組みの内容
本学部学生に対象を限定したインターシップ募集枠を複数の企業(高い英語力の求められる外資系企業が多い)からいただいており、学生はその機会を有効に活用しています。
学修についての評価
●取り組みの内容
学内各種奨学金の選考基準や、大学院への内部進学の判定、早期卒業、また、交換留学の出願資格にGPAが一定の数値以上であることを定めています。
また、GPAの時系列的変化は個々の学生を指導するうえで非常に重要な指標となっています。本学部では、各学期、取得単位数が16単位以上でかつGPAが3.5を超える学生を学部長名で表彰しており(Dean's List)、これは学生の勉学意欲を高めることに寄与しています。
●取り組みの内容
2002年からGPA制度を導入し、厳格な成績評価を行っています。また学則40条の定めにより、連続する2か年で32単位を修得できない学生に対しては退学措置を取るなど、厳しい勉学態度を求め、学生を熱心に指導しています。
年間の最高履修限度は学科ごとに定められていますが、2014年度以降入学の学生は最大でも年間44単位であり、学生の学修時間の確保に努め、勉学の質の維持を図っています。
成績表には判定が不合格となった科目と評価も表示し、GPAにも算入しています。
●取り組みの目標
成績評価の公平性を確保し、学生及び第三者に対する説明責任を果たすため、厳格な運用を行っています。
一方で、授業の内容が学習したいものと違った場合や、授業についていけるだけの知識がまだ不足していた場合など、不合格の判定によりGPAが下がるのを防ぐために、各学期1回、履修中止できる期間を設けています。
●取り組みの内容
シラバスを全学的に統一された様式で作成して学生に提供しており、成績評価はシラバスに明示された評価方法・評価基準に基づいて行われた上で、成績評価分布を教学支援システム「Loyola」で公開しています。
●取り組みの目標
成績表に記載されている評価だけでは、学生は自分の成績が良いのか悪いのか客観的に判りづらいため、成績評価分布の公表により、自身の成績を相対的に認識できるようにしています。
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『教育内容の体系化とその充実』とは?
教育の目的や成果を明確に設定し、その達成のため、各授業間の関連性を明確にするなど、体系的な学びを可能にすることで、教育内容の一層の充実を図る取り組み。
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『教養・リベラルアーツ教育』とは?
幅広い分野の教養などを身につけ、専門知識に偏らない汎用的能力を育成するために大学・短期大学で行われる教育。
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『アクティブラーニング』とは?
一方的に講義を聴くスタイルの授業ではなく、学生が積極的に学修に参加することを取り入れ、能動的(アクティブ)な学びを促すことで、知識をしっかり定着させることを目的とした学習方法。
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『課題解決型学習(PBL)』とは?
プロジェクト活動を通じ、学生が自主的・自律的に課題を発見・解決する過程において、それまでに得た知識を実践的に活用することや、より学びを深くすることなどを目的とした学習方法。
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『少人数教育』とは?
学習効果を高めるために、1人の教員が教える学生の数を少なくして授業を行う学習方法。
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『学びの組織的な支援』とは?
学校側が組織的かつ恒常的に学びに対するサポート体制を用意し、授業に対する学生の不安を解消するなどの学びに対する様々な支援をすることで、より学習効果を高める取り組み。
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『学修成果のフィードバック』とは?
授業や講義などを通して学生が学んだ知識や技術や成績などの「学修成果」を、可視化するなどして学生にわかりやすく還元することで、学生自らの学びへの姿勢を支援する取り組み。
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『初年次教育』とは?
大学や短期大学の新入生を対象に、高校までの学びから、能動的な大学・短期大学での学びにスムーズに移行するための基本的なスキルなどを身につける教育プログラム。
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『中途退学防止』とは?
学びに対する意欲の減少などを理由に修業期間の途中で学校を退学しようとする学生に対して、学びのサポートを行うことで、教育の問題解決を図り、学びの環境を改善し、中途退学を防ぐ取り組み。
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『TA・RA・SA・メンターの活用』とは?
大学院生による教育補助(TA)、大学院生等による研究補助(RA)、学生による教育補助(SA)、後輩を多方面で支援する先輩(メンター)を教育研究活動などに活用する取り組み。
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『特色ある教育施設・設備の整備』とは?
特別な校舎や教室、実習室などの教育施設や教室等にある機器などの設備を整備し活用することで、教育内容やプログラムの充実などに活かす取り組み。
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『ラーニングコモンズ』とは?
学生の自主的・自律的な学習のため、電子情報や印刷物など様々な情報資源を使って議論などができる共有の「学習の場」。
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『学生アンケートの活用』とは?
新入生や在学している学生に対し、大学の授業やカリキュラム、学修状況などについてアンケートを行い、その結果を分析・活用して、教育方法やプログラムの改善などに活かす取り組み。
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『インターンシップ』とは?
自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験や社会貢献活動に参加する制度を授業やカリキュラムに取り込むことで、学生が学問や研究分野への理解をより深めるための取り組み。
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『GPAの活用』とは?
科目の成績評価に応じてポイント(例:5段階評価A〜Eに対し4〜0点等)を付与し、その平均点(Grade Point Average)による学習成果の評価方法を大学や短期大学での教育に活用する取り組み。
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『成績評価の厳格な運用』とは?
明確な成績評価の基準を定めて厳格に運用して、単位取得や進級などを判定することで、教育の「質の保証」を実現する取り組み。
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『学修成果のフィードバック』とは?
授業や講義などを通して学生が学んだ知識や技術、成績などの「学修成果」を活用し、学生の学びの振り返りを促すことで、学びの定着を図ることを目的とした取り組み。