本学の設置母胎である新潟青陵学園は、明治33年4月に帝国婦人協会新潟支会により裁縫伝習所(新潟女子工藝学校)として呱々の声をあげた。帝国婦人協会の創設者である下田歌子女史新潟来訪に際し「本邦固有の女徳を啓発し、日進の学理を応用し、勉めて現今の社会に適応すべき実学を教授し、賢母良妻を養成する」という女史の教育思想に強い影響を受けて、新潟県知事夫人らが奔走しての創設であった。そして女子工藝学校にあっては、「女子に適当な工芸を授け、併せて、修身斎家に必要なる実学を修めしめ、能く自営の道に立つるに足るべき教育」という当時としては、先駆的な女子の『実学教育』を目指したものであった。その実学教育は、学園の発展と共に100有余年の流れの中に歴史を刻んで現在では男女共学の学園となっている。そして新潟青陵大学が完成年度を終え、而も短期大学部の人間総合学科が新たにスタートする節目の平成16年に教育の根底に息づいている歌子女史以来の教育思想をさらに発展させるかたちで、“教育理念”のフレームが設定された。
本学は、時代のニーズに応え、地域のリーダーとしての活躍が期待される市民、産業人の
育成を目的とする。そのために社会人としての自立や活躍の基盤となる教養・専門知識・
技能を身に付けさせ、資格取得に向けての万全を期する。さらに社会人としての学習意欲
を満たし、絶え間ないスキルアップを目指す生涯学習の場を提供する。
あらゆる面での変化の激しい時代には、先端的な専門知識、技術を身に付けるとともに、
不易の教養、学問を学ばねばならない。短大二年間の課程でこのことに完璧に期すること
は困難であるので、生涯を通じての明確な目的意欲の体得を目指す。
ここ半世紀で我が国の近隣社会の在り方は大きく変化してきた。そのことは子ども達の
心身の発達に強く影響を及ぼし、かつ、保護者の考えにも変化をもたらしている。この
ような状況に対応しうる、一段と高いレベルの資質を持った保育者の育成を目指す。