高齢化が進む我が国において加齢に伴う心身の機能の回復のみならず、障がい児・者の社会生活への復帰とその維持に対する支援等が必要になる。具体的には、地域障害者職業センターなどでの障がい者の職業生活における自立支援、発達障がい児を対象とした特別支援教育における学校生活支援など、作業療法士に対する社会的ニーズは年々拡大している。
また、地域包括ケアシステムでも作業療法の支援対象である移動・食事、排泄、入浴等のADL(Activities of Daily Living)訓練や家事、外出等のIADL(Instrumental Activities of Daily Living)訓練、あるいは医療機関退院後の地域・在宅への適応訓練などが、地域の中で今後さらに必要とされる。さらに病院、一般診療所及び介護サービス施設で勤務する作業療法士の数は、高齢化率の高まり応じて、病院及び一般診療所の就業者数(常勤換算)が増加していると同時に、介護サービス施設等の高齢者を対象とした施設に作業療法士の就業者数(常勤換算)も著しく増加しているため、作業療法士養成の必要性がある。